世の中には

世の中には二種類のバカがいる。ひとつは、データを見ようとしないバカ。もうひとつは、データしか見ないバカ。

どちらのバカもたちが悪い。前者はイデオロギーでガチガチだったり、オカルトが入ってたりして、会話がまったく成立しないことが多い。「論理的な思考」という方法論が、まったく通用しないのである。まあせいぜい自分の信念とやらで頑張ってください。あまり他人を巻き込まないでね。

http://livedoor.blogimg.jp/kinksaiz/imgs/e/f/ef660c8b.jpgでも本当にたちが悪いのは後者かもしれない。このタイプは、自分は賢いと信じちゃってるからね。データこそが絶対的真実だと思い込んでいる。で、話をしていると、やたらといろんなデータを持ち出してくる。データなんてものは、所詮は真実からのサンプリングにすぎないんだよ。重要なのはデータそのものではなく、その背後にある真実。それがわかっていない。

もちろん我々は、いつまでたっても真実などに到達できるはずなどない。たとえばヒトは長い間、ニュートン力学こそが真実だと思い込んでいた。200年間以上も。誰も疑いもしなかった。でもそれは特殊相対性理論の単なる近似でしかなかった。そしてその特殊相対性理論も、「真実」ではない。すべては単なる理論、すべては単なる仮説。

大事なのは、真実へ到達しようともがき苦しむこと。その過程でより優れた理論や仮説を手に入れ、ヒトは少しずつ賢くなれる。少しずつ正しく判断できるようになれる。データなんて、そのための手段にすない。

TVなどで受け売りばかりの自称知識人を見ていると、本当にうんざりしてくる。あなた方には、一刻も早く絶滅していただきたい、そんなふうに切に願う今日この頃です。