(Ishikawa 2010) 心電図所見の長期予後

http://www.tokai-med.ac.jp/kagaku/ce/sb/img/img989_IMGP4282_R.jpg軽度の心電図異常の予後は、正常心電図と変わらなかったという報告。虚血性変化の予測には脂質異常・高血圧・肥満が有効であり、心電図での予測はできなかった。

軽度の異常所見を認めてから10年後の安静時心電図の変化(Changes in Resting Electrocardiogram in Subjects 10 Years after Minor Abnormal Findings)(英語)(原著論文)

Author:Ishikawa Yutaka(藤間病院 総合健診システム), Atarashi Keiichiro, Minami Mayumi, Matsumoto Yoko, Ozaki Susumu, Tohma Mitsuyuki, Shibosawa Toshiyuki, Atarashi Hirotsugu
Source:人間ドック(1880-1021)24巻6号 Page31-38(2010.03)

Abstract:毎年健康診断を受けており、1993年、1994年に軽度の心電図(ECG)異常所見を認めた1539名(M群)とECGが正常であった1309名(N群)を対象に、2003年と2004年のECGを比較した。約50%が10年後も同様のECG所見を示した。10年後に新規に虚血性ECG所見を認めた群(IC群)については、血清脂質、血漿グルコース、血圧、BMIをECG所見に変化のなかった群(S群)と比較した。M群の新規虚血性所見の出現率はN群と同等であった。IC群の男性においては血清脂質、血圧、BMIが1993年、1994年そして10年後ともS群より高かった。IC群の女性も1993年、1994年の血圧はより高く、10年後にはもっと高くなっていた。軽度のECG異常を持つ者は正常ECGの者と同様に対処できるが、異常脂質血症、高血圧症、肥満の者では年に一度のECG検査が重要である。
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